HOME > ニュースコラム一覧 >
PM2.5の基礎知識と日常生活における対策
PM2.5の基礎知識と日常生活における対策
←前へ | ↑一覧へ | 次へ→ |
2013/03/11
中国の深刻な大気汚染の影響で、日本国内でも問題となっているのが微小粒子状物質(PM2.5)です。
日本へも飛来しているということで、西日本を中心に不安の声があがっています。
今回はそのPM2.5について基礎知識と対策法をまとめてみました。
■PM2.5とは
PM2.5とは、「直径2.5マイクロメートル以下(マイクロは100万分の1)の粒子状物質」の意味で、その大きさはスギ花粉の12分の1以下です。
特定の物質を指すのではなく、大気中を浮遊する粒子の総称です。
ぜん息の原因となるハウスダストの直径がおおよそ10マイクロメートル、花粉症の原因のひとつであるスギ花粉は直径20マイクロメートル以上なので、それとくらべるといかにPM2.5が小さいかが分かります。
PM2.5にはたくさんの成分が含まれていますが、人の健康に被害をもたらすのは石炭や石油など化石燃料の燃焼から生まれたものです。
それらの悪質成分が直径の小さな粒子となって肺の奥まで届くので、ぜんそくや気管支炎を起こしやすく、その他にも心筋梗塞や脳卒中を引き起こす危険性もあるといわれています。
政府は、今後PM2.5が環境基準値の2倍以上にあたる70マイクログラムを超えた場合、外出や屋内の換気を控えるように注意喚起することを決定しました。
■予防と対策
PM2.5は粒子が大変細かい為、通常の大気汚染で取られる対策では十分ではありません。
それではどのような対策が効果的なのでしょうか。
まず、大気汚染のひどい時は屋外に出ない方がよいのですが、PM2.5に関しては室内にいれば安全というものではありません。
一般の住宅は、たとえサッシやドアを閉めきっても自然に外気が流入します。
PM2.5のような微少な粒子は花粉などの粒子とくらべて非常に軽く、空気中を長時間漂う為、外気の流入(自然換気)によってそのまま室内に入ってくることがあります。
私達が日常生活で取れる対策としては、空気清浄機の利用が最も効果的です。
その中でも非常に細かい粒子に対応している空気清浄機を選ぶことが重要となります。
不織布でできたフィルターで粒子を濾し取る仕組みの空気清浄機では、高性能なものでもPM2.5は50%ぐらいしか除去できません。
又、フィルターが目詰まりを起こして風量が低下しやすいそうです。
PM2.5対策として空気清浄機を導入するのであれば、PM2.5対応の空気清浄機がいくつも発売されているので購入の際にチェックしてみましょう。
そして外出の時に役立つマスクですが、一般的に販売されているマスクでは効果がないといわれています。
薬局やコンビニで市販されている「花粉症対策マスク」や「風邪マスク(サージカルマスク)」などはフィルターの目が粗い為、3マイクロメートル以上の粒子や飛沫は防げますが、PM2.5はすり抜けてしまいます。
完全に防護するには0.3マイクロメートルの粒子を95%以上防ぐ機能がある「N95」タイプが必要だそうです。
医療現場のウイルス感染予防に使われ、インターネット上などで販売されています。
その他簡単なことですが、なるべく窓は開放しない、洗濯物は外に干さない、空気清浄機のフィルターの掃除は早めに行うなど、身近にできる対策も取り入れながら対策していきましょう。
日本ではまだPM2.5による被害は出ていません。
しかし中国の大気汚染は深刻で、まだまだ長引くことが予想されます。
大気汚染は常に身近にあるものと考え、健康に被害が及ばないように心がけましょう。
←前へ | ↑一覧へ | 次へ→ |